タイ現地採用の給料やボーナスと福利厚生の話。

タイで現地採用として働く人は、年々増えているように感じます。

また、今は海外就職が空前のブームですから、働きやすく・住みやすいタイは特に初めての海外就職国としてランキングの上位に必ず入っていますよね。

そこで今回は、一般的なタイ現地採用の給料とボーナスや福利厚生の話を書いてみました。

 

今記事のダイジェスト
  • 現地採用の給料とボーナス。
  • 福利厚生の種類と手当て。
  • 駐在員との違いと比較。

 

もちろん今記事で書いた数字は、あくまでも平均(一般論)にすぎません。

しかし、現地採用のリアルな数字を転職前に見ておくことは、これからタイ就職をするための覚悟や準備に必要不可欠だと思うのです。

それではタイ現地採用のリアルを覗いてみましょう!

 

タイ現地採用の平均給料(月収)

あなたはタイ就職に大変興味があるのだと思いますが、どうしても気になってしまうことがタイ就職後の”給料(月収)”ではないでしょうか。

タイで現地採用として働き始めると、一般的に全くの未経験であれば額面月収5万バーツ(約17万円)と言われています。

平均給料が5万バーツである理由は、日本人がタイで働くために必要な働許可証(通称、ワークパーミット)の申請が出来る給料の下限が5万バーツだからですね。

ただし、下のように年齢・ポジション・職種によって、給料は大きく変わってきます(あくまでも額面給料、手取りは日本と同じように各種税引されます)。

 

年齢別

年齢別に見る給与差
  • 20代:5 – 6万バーツ(約17 – 20万円)
  • 30代:6 – 8万バーツ(約20 – 27万円)
  • 40代:8万バーツ以上(約27万円以上)

 

日本と同じようにタイ就職時の給料は、年齢によって大きく異なります(ただし、あくまでタイまたは最低でも”日本”で正社員としての就労経験があることが前提です)。

なお、特に職種は問わず一般的な傾向を書いていますが、未経験の新卒採用でも6万バーツ以上をもらっている方もいます(逆も然りで、40代以上なのに5万バーツの方もいます)。

 

ポジション別

ポジション別に見る給与差
  • 営業職平社員クラス:+ 0バーツ
  • 技術職平社員クラス:+ 3,000 – 2万バーツ(1 – 3万円)
  • 営業職部長クラス:+ 2 – 4万バーツ(7 – 13万円
  • 技術職工場長クラス:+ 3 – 6万バーツ(10 – 20万円)

 

未経験の方がタイで働くと言えば、営業職という選択肢が一般的です。そして当然ですが、営業職平社員クラスであると特に給料にプラスされることはありません。

一方で、何か特別な技術を持つ技術職であれば平社員であっても貴重な存在ですから、最初から最大2万バーツほど多い給料をもらうことも、全く難しくないですね。

ただし営業職であっても安心して下さい。2〜3年働いて実績を積めば昇給して給料も上がりますし、またはその経験を持ってもっと待遇の良い会社に転職することも容易になります。

 

職種別

職種別に見る給与差
  • サービス業:+ 0バーツ
  • 貿易/保険業:+ 3,000 – 1万バーツ(1 – 3万円)
  • ITエンジニア:+ 1 – 2万バーツ(3 – 7万円
  • 製造業:+ 1 – 2万バーツ(3 – 7万円

 

前章で書いた一般的な技術職と同じように、ITエンジニアもやはり特殊な職種であるため給料は高めに設定されていることが多いです。

なお下で詳しく書いていますが、タイ現地採用で給料を重視した仕事を探すなら”製造業”の会社に就職することをおすすめします(特に自動車関連企業)。

 

働くエリアによっても給料は大きく変わる

タイ現地採用の一般的な給料について書いてきましたが、これらはあくまで”バンコク”で就職した場合に限ります。

一方、バンコク郊外またはそれ以外の地方には”製造業”関連の工場が多く、特に若い人材が不足しているようですから、給与水準も高く感じますね。

 

タイの地方都市で働くメリット
  • 未経験にもかかわらず、人材が不足しているため普通よりも高い給料を提示してくれる。
  • 製造業、特に”自動車”関連企業はその傾向が顕著である。

 

タイ日系企業の製造業関連の工場が多い場所は、例えばチョンブリ県のアマタナコーン工業団地や、ラヨーン県のアマタシティー工業団地などです。

僕もタイの地方都市で自動車関連企業の営業職として働いていますが、現地採用にもかかわらず幸運なことに額面年収は400万円を超えていますよ。

 

 

タイ現地採用のボーナス(賞与)

日本で就職するのと同じように、タイ現地採用であっても基本的にはボーナス(賞与)がもらえます。職種によって大きく異なりますが、平均して給料の1〜3ヶ月分くらいでしょうか。

ただし、会社によってボーナス無しのところもありますし、逆に5ヶ月以上と大変多い会社も存在します。

僕の知る限りボーナスは少ないことが一般的ですから、タイで現地採用として働くのであれば過度な期待はしない方が良い気もしますね。

もちろん会社をしっかり選べば(選べれば)、その限りではありません。

 

最もボーナスが多い職種は”自動車”関連企業

上の項で働くエリアによって給料が変わると書いたように、ボーナスも職種(またはエリア)によって大きく違ってきます。

それを証拠に製造業、特に”自動車”関連企業のボーナスは5ヶ月以上が平均で、それらの企業が多いエリアは例えばアマタナコーン工業団地や、アマタシティー工業団地などです。

 

職種別ボーナス水準
  • 一般企業:0 – 2ヶ月分
  • 製造業/貿易業/保険業:2 – 3ヶ月分
  • 自動車関連企業:5ヶ月以上

 

やはり日本と同じように地方都市の人材が不足していますから、企業側もボーナスをはじめ福利厚生を充実させることによって、人材を確保しているのではないでしょうか。

なお、バンコクにある企業であっても、ボーナスが充実している企業も当然多く存在します。

 

タイ現地採用の福利厚生(種類別)

給料やボーナスと同じくらい大切なのが”福利厚生”です。

ただでさえタイ現地採用の給料(ボーナス)は決して多くないですから、もらえるものは全てもらう気兼ねで就職活動を行いましょう。

福利厚生は会社によって、その充実度は大きく異なります。

特に保険や退職積立金は、働く年数が長ければ長いほどアドバンテージになりますので、しっかりと注意する必要がありますね。

 

社会保障

社会保障の種類
  • 就労ビザ、ワークパーミット
  • 海外旅行保険

 

タイ現地採用で働く場合、”就労ビザ”と”ワークパーミット(就労許可証)”が不可欠ですが、取得から費用まで全て会社が負担してくれるのが普通です。

一方、”海外旅行保険”は自己負担という会社がほとんどですね(僕の会社は海外旅行保険とまではいきませんが、補償額も比較的高額な保険に会社負担で加入してくれました)。

心配な方は、個人で「タイの保険」に加入することをおすすめします(念のため、僕も年契約で加入しています)。

 

各種手当と補助

各種手当と補助の種類
  • 家賃補助
  • 交通費補助
  • 社用車

 

タイの求人情報を眺めていると、給料やボーナス以外に各種手当や補助が支給される会社が意外と多く見つかります。

代表的なのが”家賃補助”や”交通費補助”(または全額支給)ですね。企業によっては社用車支給(主に地方都市にある工場)なんていう福利厚生もありますよ。

なお、僕の働く会社は社員全員に昼食代と生活費として、これらの補助や手当とは別に少額ですが給料とは別に100バーツが出勤日ベースで毎日支給されています。

 

その他

その他の福利厚生
  • 退職積立金(プロビデントファンド)
  • 帰国費負担

 

退職積立金(プロビデントファンド)や帰国費負担は、大企業にしか見られない充実した福利厚生かもしれません。

なお、プロビデントファンドとは給料から毎月5%が自動的に積立され、会社側も毎月同じ金額を本人の退職金として積立する制度です(パーセンテージは企業によって異なります)。

ex)月収5万バーツ/5%の場合:本人の給料から2,500 + 会社側から2,500 = 5,000バーツ/月の積立

 

現地採用と駐在員の違い

現地採用駐在員
雇用先タイ法人日本法人
給与タイ水準日本水準 + 海外赴任手当
待遇充実していない場合が多い住宅手当 + ドライバー付き社用車 他
年金自己負担会社負担
自由度高い低い

タイで働く手段として現地採用と一緒によく比較されるのが、日本から出向する駐在員ですよね。上の表では、そんな駐在員と僕のような現地採用を簡易的に比較してみました。

給与を含む待遇面では、やはり駐在員に軍配が上がります(それも圧倒的に・・)。

しかし、駐在員に選ばれるためには日本で何年間も下積みが必要ですし、さらに海外出向が決まっても駐在員は行きたい国を選択することが出来ない場合がほとんどです。

一方、現地採用であれば、好きな国(タイ)でに好きな期間だけ好きなように働けるのが魅力かもしれません(実際、残業時間も駐在員より少ないです)。

 

タイ現地採用という選択肢は有りか無しか

タイ現地採用として働く場合、あなたが日本で正社員として享受している待遇よりも下がってしまう可能性は、十分に考えられます。

しかし逆を言えば、あなたがもし日本で契約社員や派遣社員またはアルバイトなどで生計を立ているのであれば、タイに来たところでデメリットは1つもありませんよね。

”タイで働く”を万人におすすめすることはしませんが、タイが好き・失うものが特に無い・日本は居心地が悪いのどれか(または全て)に当てはまるなら、今すぐタイに来て下さい。

きっとタイも、微笑みを持ってあなたを受け入れてくれると思いますよ。

 

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