タイをはじめ、東南アジアで感染例が増えている”デング熱”という病気を知っていますか?
僕はタイに旅行で来ていた頃、1度だけデング熱に感染してしまい、パタヤのバンコク病院(有名な私立病院)で、実は1週間ほど入院した経験があります。
そこで今回は、タイでデング熱を発症して入院した僕のリアルな体験談を書いてみました。
- デング熱とはどのような病気か?(症状・予防法・現状など)。
- 実際にデング熱を発症した僕の体験談。
- タイの私立病院での治療や入院したときの様子。
デング熱を発症すると40度前後の熱が1週間続きますが、早期発見・適切な処置を受ければほぼ間違いなく完治する病気です。
それ以前にしっかりと適切な予防をする必要がありますので、タイや東南アジア旅行におけるデング熱の効果的な”予防法”も書きました。
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デング熱ってどんな病気なの?

主に東南アジアや中南米を中心に感染が拡大している”デング熱”とは、病原体のデングウイルスに感染すると高熱・頭痛・筋肉痛などを発症する病気のことです。
発症すると40度近い高熱が出ますが、適切な処置を受ければ1週間程度で完治します(致死率1%以下とかなり少ないです)。デング熱の感染経路は蚊を媒介にし、「人→蚊→人」のように感染はしますが「人→人」への直接的な感染はありません。
全世界で300万人以上が感染をしているようで、日本人旅行者や海外移住者などの感染数は年間300人近くにのぼります(300人のうちの一人が僕です・・)。
タイのデング熱エリア別発生状況
タイ保健省による情報によると、今年4月までの4ヶ月間でタイ国内でデング熱に感染した患者数は7,000人を超えたそうです。
雨季(5〜10月)に入る前までの患者数ですから、8月現在ではかなり多くの感染者が出ていると予想されます。
- バンコク
- プーケット・クラビ(南部エリア)
- パタヤ・ラヨーン 他
基本的には人工の多いエリアでの感染例が目立ちますので、バンコクや人気の観光地に行く際などは、蚊に刺されないように注意が必要ですね。
また、5月〜10月ごろの雨季は通常よりも特に多くの蚊が発生します。この時期へのタイ旅行は虫除けスプレーを必ず持参するなど、さらなる注意が必要です。
デング熱の症状と僕の体験談

デング熱を発症すると高熱・頭痛・倦怠感・眼球の痛み・筋肉痛、そして人によっては嘔吐や下痢などの症状が現れます。
風邪の症状とかなり似ていますが、東南アジアや南米でこれらの症状が出たらすぐに病院へ直行して下さい(早期発見・適切な治療を受ければ致死率は1%以下です)。
- 昼間ぐらいから悪寒が走り、高熱でうなされ始める。
- 深夜に腹痛で目が覚め、一瞬意識が飛ぶ。
- 下痢と高熱でさすがにヤバイと思い病院に駆け込む。
- 血液検査で直ぐにデング熱と診断され、約1週間ずっと40度前後の高熱が続く。
- その間ずっと血小板と白血球が減少しっぱなし。
処置が遅くなると発疹が出たり、大量出血(デング出血熱)したりと重症化します。そしてデング熱で死亡するほとんどのケースが、このように治療が遅れた場合に限ります。
また、感染すると完治するまで毎日少しずつ血小板と白血球が減少していくため、入院3日目あたりから出血の恐れがある歯磨きは禁止されます。
※血小板は体内中で出血を抑える(血液を固める)役割する細胞で、白血球は病原菌や異物と戦ってくれる大切な細胞です。
デング熱の検査方法って?

デング熱の症状は風邪や食あたりに大変良く似ています。つまり症状から断言するのが非常に難しいため、デング熱の疑いがあれば”血液検査”を用いて感染しているかどうかの診断するのが一般的です。
1時間程度で血液検査(デング熱かどうか)の結果が分かり、当時の僕のように”陽性”反応が出れば即入院。
なお記事の後半で触れますが、海外病院なら年会費無料で海外旅行保険が自動付帯される「エポスカード」に旅行前に加入しておけば、無料で血液検査や診療を受けることが出来ます。
デング熱の潜伏期間は1週間前後。チェンマイ or パタヤで感染!?
僕はデング熱を発症する前、タイ人の奥さんや両親でチェンマイ旅行を楽しんでいました。その後、飛行機でバンコクに移動し、またすぐにパタヤに行ったんですよね。そしてパタヤ3泊目くらいから発症し、「バンコク病院パタヤ」に行くと医師からデング熱と診断され、そのまま入院となりました。
デング熱の潜伏期間は3〜7日(最大2週間)のようですから、チェンマイ旅行かパタヤ旅行のどちらかで感染したことになります。何度も訪れていたタイなので”虫除けスプレー”などは一切持ってきておらず、そんな安心しきっていた自分を悔やみました。
唯一の救いは、幸いにして奥さんや両親が感染しなかったことです。
デング熱の予防方法

これからタイをはじめ東南アジアや中南米に行かれる方は、デング熱を大変心配されるかもしれません。また残念なことに、日本国内で利用可能なワクチンは今のところ存在しません。ですので、それ以外の方法でデング熱を予防する必要があります。
最もシンプルな予防方法が、”蚊に刺されないようにする”ことです(当たり前ですが・・)。その方法とは、①暗い場所・湿気の多い場所を避ける・②長袖や長ズボンを着るようにする・③虫除けスプレーを必ず持参するなどですね。
特に、虫除けスプレーは東南アジア・中南米旅行に必須のアイテムですよ。
ホテルにおすすめ!室内用”蚊”に効く最強の虫除けスプレー
蚊に刺されることが多いのは、夜、ホテルで眠っているときかもしれません。
僕はチェンマイ旅行でリバーサイドにあるコテージのようなホテルに宿泊しましたが、今思うとかなり蚊が多かったように感じますね。当時はこの室内(部屋)用”蚊がいなくなるスプレー”を持ってきておらずデング熱に感染してしまったと思うと、今では大変後悔しています。
寝ている間は蚊がいても全く気付けませんので、”室内用”虫除けスプレーは必須ですよ!
”肌用”虫除けスプレーで最も信頼できるスキンベープ
蚊がいなくなるスプレーと同じくらい重宝するのが、観光や散歩の際にとても役立つフマキラー製”スキンベープ”です。
ミストタイプですから、肌につけるときもむせることがありません。シトラスマリンの香りを配合しているため、つけ心地が驚くほど爽やかで不快さが一切ない点を、僕は大変気に入っています。
フマキラー製ですから、蚊のみならずノミやダニにも効果を発揮します(実際、猫や犬を触ったあとに使うと、痒さがスーッと抜けました)。
デング熱でバンコク病院に入院したときの様子

デング熱に発症した僕は、パタヤのバンコク病院(有名な私立病院)に入院しました。写真のように入院したのは一人部屋で、その辺のホテルよりも豪華でしたね。
とは言っても好きで入院しているわけではなく、毎日24時間延々に点滴を打たれ続けていました(それでも5日くらいは熱が下がらず、ずっと40度前後をウロウロ・・)。
- デング熱を発症すると、”血小板”という出血を抑える(血液を固める)細胞が減少していきます。
- 同じように、病原菌や異物と戦ってくれる”白血球”も減少していきます。
- そのため出血の恐れがある歯磨きは禁止され、擦り傷・切り傷にはかなり気を付ける必要があります。
- ちなみに僕の血小板と白血球は、通常時の1/4〜1/5くらいになりました。
とは言っても、「キャッシュレス診療」が受けられる病院に行くまでは辛かったのですが、高熱はあるものの入院中はずっと点滴を打っているせいか、そこまでキツイとは感じませんでした。
ただ、あと2〜3日入院するのが遅かったら・・と思うとゾッとしますね(デング熱の死亡原因のほとんどが、処置の遅延によるものです)。
経験者だからこそ何度も言いますが、タイをはじめ東南アジアや中南米への旅行中に”デング熱”のような症状が見られたら、すぐ病院へ直行して下さい。
バンコク病院はシャワーとトイレも清潔

話は僕の入院中に戻りますが、バンコク病院のシャワーとトイレはかなり清潔でした。ですが、入院してすぐはあまり動きたくなく、ベッドの上でナースに体を拭いてもらっていました。
慣れてくると高熱でもそんなにキツくは感じなかったので、シャワーを浴びに行きました。ですが点滴をしたままのシャワーって、あんまり気持ちの良いものではありませんね。
入院中に僕が最もストレスだったのは、トイレ・シャワー・睡眠中など四六時中ずっと外せない点滴でした。
バンコク病院での朝食例

入院中はもちろん食事が3食ちゃんと出ますが、病院の食事ってなぜあんなにも不味いのでしょうか。
栄養に気を使った食材を使っていたり塩分を控えていたりするからなのでしょうけれど、僕はあまりにも絶えられなくて朝食以外は奥さんに外で買ってきてもらっていました。
ちなみに、数日に一回くらい日本食のメニューがありましたが、どうしょうもなく不味かった(いや、ヘルシー)です。
タイの私立病院にデング熱で入院した費用総額は・・?
僕の体験談をザッと書いてみましたが、読んで頂いた通りデング熱は早期発見・適切な治療を受ければ99%以上が後遺症もなく完治する病気です。
ですが海外ですから、「医療費が高額そうで不安・・」と大変心配されるかもしれません。事実、今回デング熱で僕が1週間入院した医療費の総額は、なんと15万バーツ(約50万円)とかなり高額でした。
しかし旅行前に加入しておいた「エポスカード」に自動付帯していた海外旅行保険を活用したおかげで、病院からは1バーツも請求されませんでしたよ(つまりタダ!)。
病院に行く前にコールセンターに電話しましたが、日本人オペレーターの方が全てをサポートしてくれ、日本人通訳のいるバンコク病院の紹介までしてくれました。
年会費無料のクレジットカードですから、海外旅行好きなら持ってて損のない1枚ですね。
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